ホモセクシュアルの世界史

本当は「横浜トリエンナーレ2008」に登場したゲイアートについて、どんどん書くつもりだったのだけれど、いまいち書けないでいるので、とりあえずお茶を濁す的な記事。


すいぶん前のことだけれど、海野弘の『ホモセクシュアルの世界史』が文庫化された。

ホモセクシャルの世界史 (文春文庫)ホモセクシャルの世界史 (文春文庫)
(2008/08/05)
海野 弘

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単行本では持っているけれど、手軽な文庫本で出るとはちょっとだけビックリ☆
しかも、ちくま学芸文庫などではなく、より一般性の高い文春文庫からとは。

入江敦彦『ゲイ・マネーが英国経済を支える!?』の一般の新書での発刊にも驚いたけれど、これも中々…^^;

確か単行本で読んで、世界史というよりは人名の羅列に近くて、「どうも、食い足りんなあ」と思った記憶がある。著者がゲイじゃなくて、どうしても思い切った取捨選択が出来ていないところも、その一因かと思う。

ただし、英国の「ブルームズベリー・グループ」に一章を割いていて、そのあたりのセレクションのセンスだけは、悪くないと思った。

「ブルームズベリー・グループ」とその周辺、には、ゲイやレズビアン、バイセクシュアルが数多くいて、多くの才能を放出している。

まるで、ユダヤ人におけるノーベル賞受賞者輩出のように、20世紀初頭のイギリスの学芸にとっては、オリジナルな発想をするために「クィアであること」が必要不可欠のだったのだろうかな、と思うほどに。

『ダロウェイ夫人』のヴァージニア・ウルフ(『めぐりあう時間たち』のモデル)を筆頭に、マクロ経済学者のケインズ、『モーリス』『眺めの良い部屋』『ハワーズ・エンド』のフォースター、哲学者のバートランド・ラッセルとその弟子のヴィトゲンシュタイン、画家のドーラ・キャリントン(『キャリントン』のモデル)などが、メンバー及びその周辺ではつとに知られるゲイ・レズビアンたち。
こんな才能達が狭い集団内でしのぎを削っていたってのは、ほとんど奇跡みたいだ。

けれども、アート系の自分にとってはなんと言っても、美術評論家のクライヴ・ベルとロジャー・フライが重要だ。

僕は、美術における「モダニズム」と呼ばれる潮流と、それ以降が、本来の専門なのだけれど、このふたりはその「モダニズム」の始祖だといわれている。この理論は、ちょっと難しくなるので簡単に言うと、「印象中心の<情緒的、文学的>解釈を一切排除して、徹底的に純粋に作品の<造型性>に着眼した」精度の高い批評。
簡単に言えば、文学性とか演劇性とか音楽性とか、他分野でできることを美術に求めるのは不純なので、純粋な視覚的な美を追求すべし、ってことなんだけれど。

20世紀以降の近現代アートというのは、この造形性(=作品の視覚的フォーム)を追求した「モダニズム」と、そこから抜け出そうとする「脱モダニズム」の動向であると言っても過言ではない。

学部時の卒業論文は、戦後にその「脱モダニズム」を志向したジャスパー・ジョーンズという芸術家についてのものだったんだけれど、このアーティストも実は隠れゲイであった。

してみると、僕が好きで追求してきたあたりって、あとから振り返るとゲイだらけ、だったんだよね。
やっぱり共感するものって、どっかキャマっぽいところがあって、そうなっちゃうのかしらん。

レオナルドもカラヴァッジョも好きだったし。

2008/11/14(金) | アート | トラックバック(0) | コメント(2)

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Jean

『どうぞよろしくお願いします』

先日はブロともへのお申し込み,どうもありがとうございました。

こちらのブログ,いつも興味深く読ませていただいておりますが,初めて知ることや考えさせられることも多く,とても刺激になります。これからも更新を楽しみにしています。また,コメントやブロともメッセージ機能などでも交流させていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

今回ご紹介されていた『ホモセクシャルの世界史』,僕はこの夏,文庫本で読みました。盛り込まれている情報量が多く,いささか消化不良気味ではありましたが,とても勉強になる一冊でありました。

2008/11/16(日) 14:04:15 | URL | [ 編集]

Toshi

『こちらこそよろしくお願いします』

>Jeanさま
コメントをありがとうございます。よくわからないまま不躾にブロとも申し込みをしてしまって、すみませんでした。

実はこのブログはJeanさんのブログに刺激を受けてはじめたものでした。好きな作家の一人である「吉田修一」で検索すると、御ブログにあたったのでした。いつも、深く納得してうなりながら読み、更新を楽しみにしている次第です。

せっかくつながっていただいたのですから、これからコメントなどもさせていただこうと思っています。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

2008/11/17(月) 17:10:36 | URL | [ 編集]

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